菊畑周辺譚  

収入金額公示中
うるさい写真を少し薄くしてみた。

唐突ですが、隣の家のお給料って、わかります?
職場での能力はどうですか。
逆に、自分の給料を周りが知ってたら
どんなきぶんでしょう。

花畑の隣に住んで、気がついたことの一つは、
花農家同士は、畑の状態を見て、
色々と見当がついているってことなのです。
畑は日常風景そのものですから、
普段暮らしているとどうしたって、目に入りますよね。

まず、当たり前ですが、畑は職場です。
どんなタイミングで、どんな作業をしているか、
お互いに見えますし、みていますよね。
同じものを作っていれば、
同じ気候の頃に同じ作業になります。
明日のお天気が、今日の作業に与える影響が大きいですから、
いつやるべきかを、みんなが模索しています。

今年で言えば、植え付けが、そうでした。
雨が多くて、土がゆるみ、
例年の植え付け期には畑にはいることすらままならなかったのです。

今日植えるか、もう一日乾かすか、
明日はまた降るのか、
無理に植えたところで乾かなければ、
根の張りが弱くて、背丈がのびず、
収入は見込めない、いっそここの畑はあきらめるか・・・
・・・それぞれの悩みも判断も、同じ立場のもの同士なら、
畑から読みとれると思います。

そして、 畑は、作品そのもの。

食べるものと違って、見たとこがすべての花畑は、
みれば出来がわかるわけです。
できあがった作物は、市場で値段が付くわけですが、
その年、時期、曜日、等の要因で、
相場がかなり変わるそうです。
農家は相場を知っています。
収穫されたあとの畑の透き具合なんかから、
収量も推察できますし、その気になれば、
”誰さんちの菊は
いくらぐらいになったんべな”と、見当がつくわけです。

良くも悪くも村のモンは身内だ、と思う農村感覚は、
このあたりの事情も要因になっている気がしますが。

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